獅子頭その他の諸道具
イ、 獅子面は高麗狗に似て居り金色の剣の形をした「角」2本を生やしたのが牡獅子。また黒塗りのねじれた棒状の「角」2本
を生やしたのも牡獅子。
金色の宝珠の玉を額に付けたのが牝獅子。何れも黒塗りの面、剣
と宝珠は金色に輝く。目には青色の貝が嵌めこまれている。耳は
立っている。どの獅子も頭上に鳥の羽根を挿す。
また、各家から集めた諸々の神社のお札を細長く切り「シデ」
を作り獅子の後頭部に付け背に下げる。
ロ、 その外、天狗は鼻が高く朱塗りでいかめしい。「ヒョットコ」
は普通市販のもので最初のものではないらしい。
獅子が胸に付ける太鼓は大正2年8月新調したもので三つ巴
の模様がついている。
笛は篠笛で六つ穴を使用。ササラは長さ30センチ位の樫の
棒を輪型に凸凹を刻み、それに25センチ位の細竹の一部を
細かく裂いて、これで棒をこすり太鼓に合わせて音を出す
楽器である。金棒及び法螺貝は普通のものである。
獅子頭
牝獅子 牡獅子 牡獅子2
舞人の服装
【獅子】獅子を舞う人は「手甲」「たっつけ」(モンペと脚袢の組合の
様な穿物)白足袋草鞋ばき白だすき、そして獅子頭の?から下に
「みずひき」と言う唐草模様の布で前を覆い、太鼓は布の内で鳴らす。
【天狗】
天狗は大体獅子の舞人と同じ服装だが「みずひき」は付けない。
赤色の布で作った太い「たすき」を掛ける。そして腰に瓢箪、右手に
剣、左手に幣束を持つ。「剽男」は獅子の舞人と同じだが「みずひき」
は付けない軍配と幣束を持ち、獅子の舞に合わせて周囲を面白可笑しく
踊り廻る。
【笛】
笛吹きは夏羽織に白足袋草履で編笠を冠る。
【金棒・ササラ引き】
金棒、ササラ引き等男子は紺の腹掛け股引で黒足袋草履ばき、
女子は和服で菅笠に増加を付けて冠る。時には女子が男子の
服装で参加することもある。
花籠を振る人も金棒引きと同様な姿である。舞人は腰のまわりに
小さなご幣を数本挿している。見物人はそれを我れ勝に取り合い
厄除けにした。中にはお賽銭をあげて戴く人もいた。